このサイトは、武蔵大学同窓会の旧サイト(〜2018年11月まで)です。
リニューアル後の新サイトは、こちらからご覧ください。
■武蔵大学60年のあゆみ
武蔵大学名誉教授 星野 誉夫

この60年間に学生は変わりましたか

 現実の大学には、多様な学生が存在しています。「武蔵大学新聞」その他の資料で知られる大きな傾向しか分かりません。そのつもりで読んでください。

 第1期の経済学部の学生は、真面目で地味、自分の恵まれた条件を活かし、社会で恵まれない人について考える傾向が強かったように思います。4年制大学への進学者は、初期は1ケタの%、後半でもまだ10%代後半で、恵まれた存在であったことと関係あるでしょう。

 第2期には経済学部・人文学部の複学部体制が始まりました。前半期は、1960年代後半から盛んだった学生運動が続いた時期です。いろいろなことがありました。人文学部ができ、教員、学生の専門分野が多様化しました。女子学生が増加しました。学生の気風は、表現形態は違いますが、第1期のそれを継承した学生が未だいました。後半期は、教職員との関係は大きな大学と違いますが、その他は変わらない学生が増えました。少数教育という特色を考えて武蔵を選ぶ学生が相対的に減ったといえましょう。

 第3期の学生は、ますます多様化し、個人差が大きくなりました。学生生活を楽しむ学生が増えました。大学進学率が50%を超えていますので、自分たちが恵まれた存在であるという意識をもっ学生は、非常に少なくなりました。世界の中ではなお恵まれた存在であること、日本にも世界にも問題は山積していることを言っても反応は弱くなりました。現在の学生は明るい点がよいのですが、挫折した時に再起する力があるか心配です。人間関係が浅く見えるので、困った時に話を聞いてくれる友人を大事にするよう説いていました。親しく話せる教職員や友人がいるという武蔵の特色を活かしてほしいと思っています。

 おわりに

 教員時代、学生諸君には卒業後も現実をよく観察し、調べ、理論やイデオロギーについて、あるいは世間の風潮について、自分なりに考えることが大事だと説いてきました。わからないことは疑問として残しておき、その後も考え続けることが大事だと言ってきました。「自ら調べ、自ら考える」ということです。以上述べてきた「武蔵大学60年のあゆみ」にも、別な見方がありえると考えてください。

 なお、私は、今後の難しい時代を今しばらく生きていくつもりでおります。 卒業生のみなさんもどうぞお元気にお過ごしください。

 


 〜プロフィール〜
ほしのたかお。武蔵大学名教授。専門分野は「日本経済史」
主要参考文献:「武蔵七十年史」(1993年)、「武蔵学園史年報」(1995年〜)、「武蔵大学新聞」縮刷版(2000年)、「武蔵大学五十年史」(2002年)、「武蔵八十年のあゆみ」(2003年)