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 江古田駅

磨り減った石段を降りると、改札口がふたつ、顔馴染みの駅員さんに挨拶し乍ら定期券をかざす。猫の額ほどの駅前広場には友人と待ち合わせる学生達、銀行の角の路地に急ぎ足で消えて行く者もあれば、マクドナルドに駆け込む者もいる。学生達が息づく街江古田、また新し い一日が始まった。

高架化や地下化が進み、加えて駅前の建物のビル化により私鉄沿線の駅の多くが変貌を遂げていく中、昔と変わらぬ面影を残す江古田駅の姿は、武蔵の卒業生にとって年齢を越えて共有できる思い出のシーンであるに違いない。 変わったことと言えば、自動改札になったこと、銀行がATMコーナーだけになったこと、そして店が少し変わったことくらいだろうか。

だが今、その江古田駅が変わろうとしている。あの駅舎はどうなるのか、古びた跨線橋は取り壊されるのだろうか?その答は次の通り。 優等列車のスピードアップを目的に東長崎に待避機能が移されたことから、敷地に余裕ができた為、橋上駅舎化・南北自由通路設置。バリアフリー化を含めた駅舎改良工事が施されることとなったようだ。 完成は2010年度。併せて、練馬区と共同で駅周辺の再開発も実施され、竣工予定は2011年度、そんな先の話でもないことがわかった。

そういえば昔、池袋・江古田間はどの電車も7分で走った。でも今、多くの電車は東長崎で列車の通過待ちをする。スピード化が進む中、実は武蔵大生の通学時間は平均して長くなってしまったのだ。車両は快適で立派になったのに残念な話ではある。

さて、江古田界隈は居の入れ替わりこそあれ、バブルで見られた地上げ屋によるビル化の波は襲って来なかったようだ。 未だに(と言っては失礼だが)鳥忠にお志ど里、養老の滝も元気だ。蕎麦の甲子だって昔のまま。 そこに、我等が卒業生の経営する「八剣伝」も加わり江古田での飲み会は大いに盛り上がること請け合いだ。そうそう、私の個人的趣味からいくと、校門を出て真っ直ぐ行き少し右に入ったところにある「鳥信」がお薦めだ。

しかし、懐かしき佳き店がなくなってしまったのも事実。路地裏にあった移転前の「唐変木」、和風パスタの走りの「つくしん坊」、そして線路脇の「玉美寿司」がそのいい例だろう。

3枚の写真は、名誉教授・向山先生がご退職なさった際、
お部屋の奥から見つかった、昭和28年ごろ〜35年ごろにかけて
当時の映画研究会が撮影した貴重なフィルムからとったものです。