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■若手3落語家・講談師座談会

【司会】では、八っつあんや熊さんは講談には出て来ないんですか?

【松之丞】基本はそうですが、全く出て来ないのかというとそうじゃないんですね。この例外というやつがややこしいんですよ。最後に落ちがあるのが「落語」ないのが「講談」といった点は違いのひとつかもしれません。しかしこれがまた全てにあてはまらない。ただ、会話で進むのが落語、ト書きで進むのが講談という違いは大まかにあります。勿論これも例外はあります。


【司会】落語は座布団の上、講談は更にその前に台があって、ペンペンと扇を叩いているというイメージなんですが・・・


【松之丞】形式的な点から言えばそうです。


【会長】講談は笑いを取らないのでは?


【松之丞】これも例外があるんです。ネタにしてもお互いにやっているものもあり、こうなると境界線は見えなくなってきます。


【白鳥】サイレント映画の解説は?


【松之丞】それは活弁士という別の職業です。


【白鳥】講釈師という方もおられますよね。


【松之丞】それは我々講談師のことです。どちらでも構わないのですが、講釈師の方が古い呼び方です。


【司会】それにしてもお詳しいですね。


【好の助】そりゃもう、何たって経済学部出てますからね(一同笑)。

 

【司会】ところで今、講談師・落語家さんそれぞれどのくらいいらっしゃるのですか?

【松之丞】講談師は80人くらい、半分以上は女性です。最近は「男性の講談師さんは珍しいですね」と言われるくらいです。


【好の助】落語家は上方も含め700人くらい。女性は十数人ってところでしょうか。


【会長】やはり大卒の方が多いんですか?


【好の助】そうですね、それより最近は30歳過ぎの入門者や脱サラ組の新弟子もいたりして、経歴はさまざまです。

 

【司会】ところで、子供の頃に抱いていた夢とか、将来何になりたいとか、そういったものはありましたか?

【好の助】僕は考えたこともなかったですね。


【松之丞】僕は小・中・高とずっと学校生活に違和感を覚えていました。「やりたいことがある筈だ」と思うのにそれがわからない。


【好の助】また随分とませた小学生だったんだね(一同笑)。


【松之丞】そう言えば、国語の教科書を読まされた時、先生に「うまいね」と褒められたんですね。講談師というのは謂わば読むのが商売ですから、その子供の頃の記憶が今に繋がっているように思います。やはり「褒める」というのは大事だと思いますね。


【好の助】いよっ!いいこと言うねえ。


【司会】貞鏡さんは如何ですか?


【貞鏡】子供の頃というより、入門して感じたのは、もっと親の七光り的なものがあるのかと思ったら当てが外れたことです。普通は二世ですと前座の期間が1年とか2年とか短いケースが多いんですね。ただ私はちゃんと4年間前座として修業させてもらいました。寧ろありがたかったと思っています。


【司会】前座というのはどんな立場ですか?


【貞鏡】師匠が高座に上がる支度をしたり、座布団を返したり、要は修業の身なので、余り目立ってはいけない立場です。二つ目になると一人前と看做され、男性なら羽織や袴を着ることが許されますし、オリジナルの手拭いを作ることも認められるんです。

 


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