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■武蔵大OB 三社長による座談会
 〜自ら考え、有言実行〜

【構口】実質的に20年も経済が低迷している中で、さらに発展していくための課題なり、ビジョンを次にお聞きしたい。

【岩崎】長い目でみれば日本のマーケットは縮むので、大きな視点でいえば、日本のマーケットについて再編して、その中でもきちんとシェアを確保することが必要になります。少子化、税制の問題など大きな変化が起きると予想されるので、海外で弊社のリーガルというブランドを定着させながら、海外のマーケットが欲しいと考えています。現在アジアを中心に台湾、シンガポール、タイでビジネス展開をせざるを得ない状況で、中国が今年6年目になり、中国でのビジネスを強化していきたいと考えています。

【井上】工場進出はやっておられないのですか?

【岩崎】一昨年、江蘇省に本当に小さな工場ですが、中国との合弁で造りました。やはり中国で作って安いものを日本に持ってくるというよりも、中国で作った靴を中国で販売していくことを目指そうと考えています。

【酒見】現在年間1千万人しかいない訪日外国人観光客を、年間3千万人に増やそうと政府が新成長戦略の1つにあげており、さらに今年の7月から中国人に対するビザが大幅に緩和になって、中国本土の旅行会社に対して直接営業をかけております。

【吉田】<エンジニアリングファブリックイノベーション>と名付け、われわれが蓄積し加工まで含めた技術・プロセス・ノウハウをさらに利用して不織布の輪を広げ、広く世の中の役に立つことを目指しています。圏内の需要はそれほど大きな拡大は期待できないと思われる中で、北米、韓国、中園、香港、台湾など、グローバルな事業展開をどうするということも大きな我々の戦略でありまして、広くネットワークを広げて事業をやっていかなければならないといったところです。そうなるとやはり経営的に重要なのは人材の問題になってきます。グローバルに対応できるような人材を育成する、あるいは時に応じて必要な人材を外から持ってくる。そういうことからすると武蔵大学の卒業生にも大いに我社としても期待するところであります。

【学長】こちらこそよろしくお願いします。私は、大学は出口が重要であると考えており、就職面接で難関大学の学生と一緒の場でも武蔵の学生であることに誇りを持ち、名前負けしないで自分をアピールできるようにして欲しいと思っています。

【井上】皆さん中国に比重がますます増していくようですが、中国と商売をやる一番の問題はなんでしょうか?

【岩崎】間違いなくりスクはあります。1960年代の日本のように借金してでも物を買うという天井知らずでお金を使うという状況で中国は経済的に魅力的です。ただ、一番気をつけなければいけないのは法治国家ではない事と、商習慣が我々とかなり違うものが彼らの中にある事です。5年位の覚悟と、良いパートナーが見つかれば非常に早く物事が進み始めます。ですからその辺の見極めとリスクをどう管理していくかが一番大切だと思います。

 

【溝口】怖いのは知財ですね。ブランド登録などされているのですか?

【岩崎】勿論です。

【吉田】ドイツのマネジメントは非常にしっかりしていて、尚かつ、中国人は日本人よりもドイツ人からのプレッシャーに弱いので、ドイツ人からガンといわれるとYESというケースが多く、その辺りはうまく活用しています。そして、現地の社員のリクルーティングが問題なのですが、長続きしないでキャリアアップをしたがる人たちが多く、特にマネージャークラスで採用する人たちは、相当プライドも高く能力も高いので、自分の得られる給料と仕事に対しては非常に執着します。ノウハウだけ盗まれて移ってしまうこともあるのが心配です。

 

【溝口】座右の銘は?

【吉田】「有言実行」です。発言すると自分に責任がくるわけですから、結果としてたとえ有言半行でもいいと思います。極端に曹えば、半分しかできなくても、「発言する」という前向きなチャレンジ精神を持つことが大事だということを社員に絶えず言っています。

【岩崎】特別に座右の銘はないのですが、やはり自分で考えないとだめです。自分で考え、ジャッジすることが一番難しい。実は仕事の中で一番難しいのがこのジャッジなんです。職制だけの人はジャッジを先送りにしてしまうので、会社が遅れてしまうんです。できたら若いころから部活などでこのジャッジをどんどん経験して欲しいと思います。

【酒見】敢えていうと『我慢』です。入社して2、3年目に仕事が合わず、辞めたいと思っていた時期もありましたが、我慢しました。鉄道から川越東武ホテル開業の準備でセールスマネージャーとして赴任した時、人脈も営業ノウハウも何もないので、鉄道に勤務していた時の上司や同僚を訪ねて行ったところ、酒見がホテルにいるなら使ってやろうじゃないかと、大いに応援してくれました。これは、当時の私にとっては大変な励みになったものです。その時、仕事というものは「無駄な仕事はない」「我慢してやっていれば必ず自分の身になってくる」ということを、身をもって感じました。

【学長】今日は本当に貴重なお話をありがとうございました。私自身この4月から学長に就任して大学運営の難しさを感じることもありますが、リーダーシップをきちんととっていくことが大事だと思っています。今日いろいろお話を伺えて多いに参考になりました。また今後ともよろしくお願いいたします。

(取材と文:会報委員会)

 

武蔵大OB 三社長による座談会 (株)東武ホテルマネジメント 酒見氏
(株)東武ホテルマネジメント 酒見氏

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