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■メディアの戒め 東京都・高林 功さん(38回欧米)

だが、電話の内容は違っていた。有森選手を普通の代表として、他の二人と同様に取り上げてくれてありがとうございます、というお礼の電話だった。

代表選考についての議論がヒートアップするなか、選手や選手の家族がどれほどの不安にさらされ、徒労感に苛まれてきたのかが、母親の切実な声の調子から伝わってきた。

その後、バルセロナ五輪で有森選手が銀メダルをとって国じゅうを熱狂させたのはご存知のとおりである。

大学時代に読んだ中上健次の言葉が脳裏に浮かんできた。
「言葉を持つものは、言葉を持たぬものの批判にさらされる義務がある」
編集の現場を離れた今でもメディアで働く以上忘れてはいけない戒めである。