◆学芸員とは |
|
それにしても、学芸員は展示や机に向かって研究しているイメージが強いと思われがち、あるいは美術館や博物館で受付や監視をしている人と勘違いされますが、本来の仕事は作品の「研究・調査、収集・展示普及、保存・管理」をすること、とされています。私は、長崎の絵画を常時展示している展示室の展示替(2ヶ月に一回、休館日に行っています)を担当しながら、収蔵品について少しずつ理解を深めています。そこで得られた知識から研究を深めていくのが今の私の最も大きな課題です。しかし、実際には研究のほかに肉体労働を伴う様々な種類の仕事があります。他の仕事にも言えることですが、企画展のような大きなイベントや講演会、テレビ出演など華やかなのはほんの一部で、毎日は様々な地道なことの積み重ねです。ちょっと意外なことといえば、お正月には寒さに震えながら隣の諏訪神社からの初詣客を狙い博物館へ呼び込んだり、今年の夏は恒例になった博物館の「奉行所祭り」でヨーヨーをつくって売るなんてこともしました。
|
◆「もの」と「ひと」に支えられる学芸員の仕事 |
|
そもそも私が学芸員を目指したのは、自分の考えを本物の作品並べてかたちにしたい、本(展覧会図録)にしたいという夢があったからです。子どもの頃から美術には興味がありましたが、自分は絵を描くより絵について思いをはせたり研究してまとめるのが向いていると感じたいたからです。
学芸員の仕事で特にやりがいを感じるのは、やはり企画展。その大きな魅力のひとつは、生の「もの」に触れることです。展示のために苦労して借用許可をいただいた作品を借りに美術品専門の4トントラックに乗って日本中を飛び回ることや、作品が実際に会場に並ぶ瞬間は、大変ながらもワクワクします。そして、他館の学芸員や展示現場で関わる人々といった一つの展覧会をつくり上げる喜びを共有したひとたち、展示解説や講演会で出会う来館者といった展覧会を喜んでくださる方々との出会いなど、「ひと」から得ることも大きいです。
|