◆これからも一本杉通りで炎は揺らめいて… |
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江戸時代には、前田利家ゆかりの地となったこの地域であるが、室町時代にこの土地の守護であった畠山氏が「七つの尾根」がある松尾山に築城したことから「七尾」と呼ばれるようになった。天然の良港を持つ七尾は、北前船の寄港地としてその繁栄振りを歴史に残した。北前船に積み込まれた「七尾の和蝋燭」は東北各地、九州、四国に能登の食文化とともに運ばれていった。

現在、和蝋燭は山形、福島、新潟、富山、石川、福井、滋賀、京都、愛知の9県、20社余りで作られていて、各地の仏事問屋に商品が卸される。その問屋を通して小売店やお寺に販売されて行く。高澤ろうそく店でも類を見ないが、製造元が小売をしているのは、ここ一本杉通りの「高澤ろうそく店」だけである。
真っ黒な墨の文字で「蝋燭」と書かれた白い麻暖簾が、一本杉通りを吹き抜ける風に揺れていた。優しい灯りを人の心に燈す「和蝋燭」をこれからも作り続けて行きたいと願う高澤さんの「思い」が、この暖簾をくぐった店の中で、灯りとなって揺らいでいるように感じた。
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(取材と文:山下 多恵子) |