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■七尾市・高澤 良英さん(18回経営)


七尾に揺らめく伝統の灯

◆老舗を継ぐ思い

 

 大学時代に住んでいたのは、巣鴨、そして目白であった。七尾と住んでいる人の数は違っていても、生まれ育った商店街の空気がそうさせたのかも知れない。生まれたときから、店には蝋燭づくりの職人がたくさん働いていて、それを毎日のように見ていた高澤さんは、自分がこの店を継いで行くことを、自然と自覚していたという。

 日本の蝋燭の歴史は古く、奈良時代に遡る。奈良時代は、中国から輸入をしていたため、舶来の蝋燭はかなり高価なものであった。江戸時代になると黄櫨(きはぜ)が輸入されるようになり、国内各地で櫨の実の栽培が始まった。和紙にイグサと真綿を幾重にも巻きつけた灯心に、木蝋(ハゼの実から絞った油)を手で塗り重ねては太くしていく製法で、国産の「蝋燭」が作られた。蝋燭は、仏教の普及により仏壇に使う灯りとして、信仰心の厚い地域を中心に需要が高まり、市民の暮らしにも欠かせないものとなっていったのである。
 ここ高澤ろうそく店では、先代(高澤さんのお父上)が「型流し製法」を考案した。これに切り替えることで、蝋燭の増産体制が可能になった。