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■七尾市・高澤 良英さん(18回経営)


七尾に揺らめく伝統の灯

 能登半島の七尾に加賀藩が「蝋燭座」を置いたのは1650年頃のこと。家康が江戸に幕府を開いてから40年あまりが経過していた。18世紀後半から七尾の港は北前船の停泊地として流通の拠点となり、七尾の港は10数隻の北前船が停泊し、賑わいを見せていた。
 「蝋燭座」が置かれたこの七尾で、和蝋燭を作り続けて112年の老舗「高澤ろうそく店」に伺い、4代目店主・高澤 良英さんにお話を伺った。

高澤 良英さん

◆災害史上に残る「七尾の大火」

 

  明治25年、高澤浅次郎が創業,商いを開始するも、店は明治38年(1905年)に「七尾の大火」で全焼してしまう。その後、明治43年(1910年)に現在の店舗が完成し、今にいたる。大火で店を失ったのは「高澤ろうそく店」周辺の商店街に留まらず、七尾の街の殆どが消失した。大火後は、災害に見舞われることがなく、復興された「新商店街」は、当時のままなので、今やレトロな雰囲気が漂っている。
 こうした「登録有形文化財」が店舗として軒を連ねる七尾の「一本杉通り」には、しっとりとした底知れぬ情緒がある。建物が低いせいなのか、「一本杉通り」の入口、御禊川(みそぎがわ)に架かる真っ赤な仙対橋(せんたいばし)から見る空が広い。

仙対橋と御禊川。川のすぐ先はもう七尾湾