このサイトは、武蔵大学同窓会の旧サイト(〜2018年11月まで)です。
リニューアル後の新サイトは、こちらからご覧ください。

■ 佐々木 秀一さん(14回経営)
史都・多賀城を誇りに思い、その良さを伝えたい。

◆ここがいちばんのお気に入り  

 多賀城の南門跡からちょっとのところに「多賀城碑」が静かに立っている。佐々木さんがいちばんお気に入りのポイントである。古い覆屋の中に収められているこの石碑は、江戸時代の初期に土の中から発見された。「元禄2年、松尾芭蕉は弟子の曽良とここ多賀城を訪れております。古くから歌枕に読み込まれていた『壺碑』(つぼのいしぶみ)を見、その高さ196センチ、幅92センチの石に刻み込まれた読み下し文を目の当たりにして非常に感動し、涙したと言われています。762年に建立されたこの石碑が900年以上も土の中に埋まっていたことで、風化もなく、刻み込まれた文字がはっきり読み取れる奇跡的な発見でした。芭蕉の気持ちと同様、私も訪れる度に感動しています。」と熱く語ってくれた。佐々木さんの大好きな「多賀城碑」だけに、古の多賀城に思いをはせ、広がっていく無限大の時間に感動する気持ちを交えて観光の人々に語っている、穏やかなリズムの中にもバイタリティのある姿を想像できた。
 南の大宰府、西の平城京と並んできた北の多賀城の存在もすごいものである。太宰府が福岡という大きな都会を発展させ、平城京が奈良・京都を今日の世界遺産までに育て、多賀城市が、仙台を生み出した。古の三大都市と現代の都市が300年余りの時空を超えて行き来しているようだ。

心を込めてガイドを務める佐々木さん