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■留学生の古今満喫旅行記 in 富山・金沢

 〜ムサシ、ムサシ…〜 ヴァンサン・ヴェスペラン
(M.Vincent Vésperant)

◆料理を残さないということが感謝の気持ち
 多くの人々との出会いがあった。まったく初めての出会いだったが、皆すぐに私たちに優しく接してくれた。私は雪の中を歩くと足の指先が氷のように冷たくなることがよくあったが、出会った人々の細やかな配慮により体の内側から暖めてもらった。
 山に囲まれた街、富山に着くとすぐに、富山の人々が自然そのものと自然によりもたらされるものとに非常に気をつかって生活していることが感じられた。杉の巨木の中に建てられ雪をかぶった雄山神社を早朝に訪ねると、静謐な雰囲気がすぐさま伝わってきた。洗練された感性はお膳を食べる楽しみからも得られた。私たちは、「ますのすし」のオーナーの用意したスシ、エビ、富山のシンボルの魚、イエローテールが並べられお膳をお昼にいただいた。夕食は、武蔵大学同窓会のOBとともにした。OBたちは様々な料理を実にたくさん持ってきた。このため、全てを食べることができない人がたくさんいたが、私の場合は問題なし。残さずいただいた。また、料理を残さないということが感謝の気持ちを表す優れた方法であるということも知った。翌日は、富山の街へ降りていった。
 富山の街は、旅館「わがや」よりも標高が低いが、新鮮で活気ある空気に満たされていた。街が変わればまた別の夕餉。杯を合わせる。「カンパイ、カンパイ」。私たちの杯が空になることは一度もなかったように思う。このように、両隣と向かいに座った人々の杯に注意することが必要なのだ。次から次へと料理が運ばれてきて、ご馳走であった。日本の礼儀を会得する上で興味深いものであった。

「カンパイ、カンパイ」