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■ 小山 骼sさん(22回経済)
中国食材の王様「フカヒレ」。この軟骨を使って新たな地場産品を作った人が気仙沼にいる。その自信作とは・・・。

◆1階、2階、3階の担当者はそれぞれ?  
 小山さんのお店は1階がケーキ屋さん、2階がコーヒー店、3階がお菓子やケーキの厨房となっている。明るい1階の店内にはオリジナルのケーキがずらりと並べられている。ロールケーキも何種類かあり、苺のショートケーキは勿論のこと、モンブラン、プリン、チーズケーキ、アップルパイなど可愛らしく、美味しそうだ。窓際の棚にはフカヒレ粉末が練り込まれているパイや、フカやサンマの形が面白いクッキーがところせましと並べられている。お菓子の製造販売では小山さんはこの店の4代目にあたる。
 大学卒業後、小山さんは東京でコーヒー豆を扱う会社に入社、入社当時は、赤坂東急ホテル内にあるコーヒーショップ(勤めた会社が営業している店)で、コーヒー豆のことや美味しいコーヒーをいれる技など、コーヒーに関する全てを学んだ。東京での仕事が数年過ぎた頃、実家が経営する菓子店を建て直すことになり、故郷の気仙沼に戻ることとなった。東京で新婚生活を送っていた小山さんは、東京での経験をフルに活かそうと、新しい菓子店の2階に「珈琲山荘・こやま」を開店させた。店名についている「山荘」は、大学時代所属していたワンダーフォーゲル部に因んだもので、奥様も同級生で、ワンゲルのOGである。奥様は東京は文京区のご出身、「気仙沼は遠かったです。あの頃は新幹線も無いし、もう何時間もかかって。それに気仙沼は宮城県の一番北にある町ですから、宮手県なんです。」サイフォンのコーヒーをカップに注ぎながら小山さんは「ミヤテ県?…。」
 ケーキを作っているのは主に息子さん、1階の担当は奥様、小山さんは2階の珈琲山荘の係りである。「私だってケーキやお菓子の勉強、修行はして来ましたよ。時間が空いているときは厨房で息子と一緒にケーキをつくったり、クッキーを焼いたり大忙しですよ。特にクリスマスシーズンですから深夜までケーキ作りが続きます。東京でケーキの修行をしていた息子から、気仙沼に帰ってくるといわれたときは、何かライバルが現れてくるようでプレッシャーを感じましたよ。」と言いながら、ちょっと嬉しそうにしていた。
 この二人で作るオリジナルケーキをインターネットで販売してみたところ、遠くはイギリスから埼玉県に届ける注文があったそうである。気仙沼発信の広域ビジネス、ネット販売の力に驚かされたと語ってくれた。
丁寧にコーヒーをいれる小山さん