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■企業見学会  本田技研工業株式会社 高根沢工場

  人文学部日本文化学科 2年、新聞会 石塚 恵美

  2004年2月3日、今年も新聞会主催、同窓会後援のもと、企業見学会が開催された。第六回となる今回の訪問先企業は本田技研工業株式会社(以下、本田技研)に決定し、 NSXやS2000などのスポーツカーを生産している栃木製作所高根沢工場を訪れた。参加者は大学職員、同窓会員、学生を合わせて約三十人。本学OBで元本田技研 常務の小林隆幸氏も参加し、見学の後に講演会が催されるなど一段と内容の濃い見学会となった。

本田 高根沢工場  工場のある栃木県塩谷郡高根沢町までは大学からバスを使って移動。行きのバスの中では、NHKのテレビ番組「プロジェクトX」より、本田技研が低公害エンジンを開発する姿を追った回のビデオが上映された。
 到着後、一行はウェルカムルームと称される部屋へ通され、従業員の大志田秀次さんから高根沢工場に関する簡単なレクチャーを受けた。続いて高根沢工場でおこなわれている作業工程をまとめたビデオを鑑賞した。それによると高根沢工場は、1990年に本田技研がモーターレースに出場する車と同じ性能を持った自家用車として開発されたNSXの専用工場としてスタートし、以後完全受注生産の形式でスポーツカーの生産を続けているという。また「匠の技」という言葉のもと、ロボットにはできない繊細な作業を人間の手でおこなう手作り方式を採用し、高品質な車を仕上げることに成功しているとのことだ。
 ビデオ上映が終わると、2グループに分かれて見学に移った。見学する作業エリアで働いているのは高根沢工場に勤務している全人数の4分の3を占める300人。作業員のほとんどは男性だが、男女雇用機会均等法のもと、現在は女性も三人作業エリアに入っている。見学は溶接工程のエリアから始まった。こちらにはロボットが13台、総合溶接機が2台あり、車体のフレームを作り上げていた。NSXは、走行性能が向上するように車体に鉄よりも軽いアルミ合金を使用して軽量化を計っている。アルミ合金の溶接には鉄の3倍の熱量が必要だが、総合溶接機は鉄とアルミ合金の両方を溶接することが可能とのことだ。溶接がすべて完了した車体は「ホワイトボディ」と呼ばれ、人の手により3時間以上、やすりがかけられる。
  続いて参加者たちは組立工程エリアへ移動した。塗装の工程を終えた車体に、総
数で3万個以上ある部品の八割がここで取り付けられる。ここでも活躍するのはロボットではなく人間の作業員。出来る限り疲れずに作業ができるようにと、車体は高さが自由に変えられる装置から吊り下げられ、エンジンなどの重い部品は油圧式のリフターに乗せられていた。この組立工程エリアに限らず、高根沢工場では「匠の技」を最大限に活かすために作業員が疲れにくい環境を整備することを心がけているという。隣の検査エリアではへこみや傷の有無、タイヤやヘッドライトの角度などの検査がなされていた。
 作業エリアの見学が終了し、最後は工場のエントランスに展示してあった完成形のNSX・S2000・インサイトを見学。参加者が実際に乗り込んでエンジンをかける一幕もあり、一台数百万から1000万円以上もするスーパーカーに興奮気味だった。
 ウェルカムルームへ戻り、質疑応答の時間が取られた。ここでは事前に新聞会から提出した質問の返答に加え、参加者からもNSXや作業員の技術に関した質問などが飛び出した。
元本田技研工業 常務 小林氏  本学OBの小林氏の講演の時間になると、小林氏は、自身の学生時代の思い出から本田技研に入社するまでの話や、入社してから渡米してホンダアメリカの基礎を作るまでの話を巧みに語り、参加者たちを大いに楽しませた。また、氏は講演の最後に、参加した学生たちに向けて「誰にでもやる気を見せていれば大きな仕事がやってくる」との言葉を贈り、「本田(技研)は自分にたくさんの転機を与えてくれた」と結んだ。
 講演の後は再び工場エントランスに戻り、全員で記念撮影。色鮮やかな3台の車を背に、今回の企業見学会は終了した。


集合写真


参加者の声

  • NSX・S2000に実際に乗ることができて感極まりました。(比較・女)
  • 技術の高い車なのに、手作りである点は、まるで伝統工芸品のようでした。(社会・男)
  • 改めて本田技研という企業の魅力を見ることができました。(社会・男)
  • 武蔵大学の先輩でおられる小林隆幸さんのお話を聞けて本当に勉強になりました。(経済・男)
  • 手作業の工程が見られて良かったです。車好きには最高の一日でした。(経済・男)
  • 実際に働いている人の姿を見ると、自分の働く姿もイメージしやすくなり、就職をよりリアルに感じられるようになりました(社会・女)