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鎌倉に眠る鈴木先生を訪ねて
    四月会 代表  向山 巌

 12月6日は鈴木武雄先生のご命日に当るので、前日の5日日曜日に、前年の四月会総会に出席した会員に呼びかけるかたちで、先生ご夫妻の眠る鎌倉霊園に墓地をお訪ねすることになった。
  当日、鎌倉駅前に午前10時に集合することにしたが、前夜からの記録的な大雨が東海から関東地方を襲い、各地で不通になる鉄道路線もみられ、どの程度の参加者があるかが心配された。しかし、天国におられる先生のご尽力も手伝って、当日の朝になって天候が急速に回復に向かい、鉄道の混乱もほぼ解消し、予想を超える17人の教え子が各地から集合時間に集まり、バスで霊園に向った。ご遺族の鈴木洋子さまにもご参加をいただいた。お昼近くになると、空には雲ひとつない快晴となった。
  墓地を訪ねた参加者の多くは、私のように先生のご年齢に並んだものや、古希前後の年齢に達していて、先生ご夫妻の墓前に花を捧げ、手を合わせてご遺徳を偲んだ。また各人は母校を離れてからの歳月の生活や仕事の状況などを、恩師に対して感謝をこめながら報告を行ったのである。
 先生が学長在職のまま突然に学長室で倒れ、治療の甲斐も無く1ヶ月後にはご逝去されたのは学生紛争に明け暮れた1975年12月で、享年74歳であられた。それからすでに29年という長い歳月が経過した。それにもかかわらずいつでも教え子達のこころのなかに、先生への思慕の念が深く刻み込まれて変わることなく生き続けていることは、第一級の学者としてだけではなく、むしろ優れた教育者として全力を投入し、教え子に接してくださった先生の偉大さを物語っているのではないか。
 お墓参りを済ませてから、鎌倉駅に戻り駅裏にある閑静な料理店「吉亭」で昼食をとりながら、お互いに遠い過去の学生時代に先生から受けた薫陶の数々の思い出を懐かしく語り合い、またそれを明日に生きる糧とすることをお互い誓い合った。
  洋子さまから謝意を込めたこころあたたまるご挨拶があり、懇談の楽しい時間が過ぎて、別れを惜しみながら午後2時を過ぎて現地で解散となった。

(2004年12月11日記)

 

鈴木ゼミ集合写真

●平成15年開催 鈴木ゼミ 四月会