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 「武蔵大学合唱団リーデルクランツ創立40周年に寄せて」

   武蔵大学長 平林 和幸
 
 武蔵大学合唱団リーデルクランツが平成18年に創部40周年を迎えるにあたり、心よりお祝いの言葉を申し上げます。
 昭和41年に12名の部員で武蔵大学音楽部男声合唱団として発足し、2年後に名称に「リーデルクランツ」が付けられ、第1回定期演奏会を銀座ヤマハホールにて開催し、その翌年人文学部の創設に伴い、混声合唱団となったと伺っております。その後の活動は、年1回の定期演奏会と、成蹊、成城両大学の合唱団とのジョイントコンサート「虹の会」を開催し、およそ300名のOB・OGを輩出し、現在に至っていると聞き及んでおります。
 今年度は、例年の活動以外に、5月に練馬文化センターリニューアル記念「練馬3大学合同音楽公演」に参加されるそうで、益々の発展を期待しております。
 以上に書いた活動の他に、個人的には大学の入学式における武蔵大学讃歌の合唱と卒業式における斉唱が最も印象に残っております。リーデルクランツが謳う武蔵大学讃歌を聞いていると、小林秀雄の書いた「耳を澄ますとは、音楽の暗示する空想の雲をくぐって、音楽の明示する音を、絶対的な正確さで捕らえるということだ。私たちのうちに、一種の無心が生じ、そのなかを秩序整然たる音の運動が充たします。空想の余地はない。音は耳になり耳は精神になる。」(「表現について」)、という文章が頭に浮かんできました。入学式、卒業式というイニシェーションの場において、精神に響き渡る歌声は単なる音の響き以上に大切な役割を担っています。新たに武蔵大学生となる新入生やこれから実社会に旅立とうとする卒業生の心の中にそれは深く強く刻み込まれていくことでしょう。
 最後に、創立40周年を新たな契機として、武蔵大学合唱団リーデルクランツおよびそのOB会が、今後一層の発展と充実を遂げられることを祈念して、わたくしのご挨拶とさせていただきます。

●2004年「岡部申之先生、常任指揮者就任30周年を祝う会」