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 平成14年10月26日開催

 講師 石井 誠治(22社会、横山ゼミ) 樹木医・森林インストラクター

 石井講師は、話題の豊富さとギャグの連発であっという間の講演時間でした。

「昔の日本人は、森の民でした。木を切る前に神に祈って、お神酒を捧げて、そして、これから大切にこの材を使わせてもらうからと言って切りました。そして、切って使った材の代わりに苗を植えたんですよ。今は切りっぱなし。(中略)
  私たちは、多くの方が失ったものを意識できる環境にあります。ところが今を生きている若い方々は、失ったものを知りません。ですから、より実態を意識させてあげる環境を作ってもらわないと、知らないままに次の世代に情報を伝えるということになってしまいます。そうすると、森の民だったはずなのに、三代自然から離れて生活をしますと町の民になってしまいます。
  自然を自然としてとらえにくくなってくる時代になりました。都市生活者にとって庭や公園が身近な自然になったのです。 まず、遠くにある豊かな自然に意識を向ける前に、身近な木々や草花に目を向け、生きている不思議を実感してください。」

と座学にピリオドを打ち、キャンパス内の樹木を観察しながらの授業となった。
  本学の9,000本に及ぶ木々の多さと区の銘木に指定されている木々がこんなにもあるのかと、それも一本一本の木々に生命が宿っていることを再認識した貴重な一日でした。

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